スピッツについて。その1

では早速一つ(笑)。
スピッツについて書きたいと思います。*1
(長文注意!です)


スピッツというと邦楽が好きな方はよくご存知であろう
「ロビンソン」だの「空も飛べるはず」だの「チェリー」だのヒット曲を持つ
今年でデビュー15周年を迎えたバンドであります。
3月には15年のシングルを網羅した2枚組のベストアルバムが出ております。


スピッツ関係のコミュニティ(mixiってやつの)だと、
スピッツの真髄は初期にある」
なんていうのに、参加させてもらってるわけですが。
これまさしくその通り!(笑) …なんて思ったりします。
何でそう思うかをこれから書いていきたいと思います。^^;


僕が好きになったのは彼等が大ヒット曲「ロビンソン」でブレイクして
それから一、二年経って「チェリー」だの「渚」だのを出してる時でしたね。
当時恥ずかしいもんですが、僕は邦楽にこれぽっちも興味が持てずに
「へぇ最近こんな曲が流行ってるんだ、ふ〜ん」と冷めた目で見ていました(笑)。
その僕が初めて邦楽で良いと思ったのが、スピッツの「チェリー」だったわけですね。
「愛してるの響きだけで強くなれる気がしたよ」っていうフレーズは、
若かりし頃の自分の感性にビンビン響く歌詞だったわけです(笑)。
何気にセンチメンタルです(爆)。


それから弟に曲をテープにダビングしてもらってひたすら聴いて、
次に衛星放送(某スカパー)で有名な曲のPVを集めまくり、
その次にCDを買い集め一枚一枚何度も聴いて曲を憶えて。
その時点でもう十分スピッツの事なら何でも語らせろ! みたいになっていたわけですが(笑)。
でも本当〜に自信を持って好きになったと言えるのは、
インディーズの頃の楽曲を聴いてからなんですね…。



スピッツがミリオンヒットなんてものから遠ざかって久しいですが、
最近でもいい曲はホントに幾らでも有るし、サウンド面とかは
ハヤブサ」っていうアルバムくらいから凄い充実してきてるし、
今の方がブレイク時よりずっとロックだな〜って思うことが多いのですが。
でもインディーズの頃や1stアルバムの楽曲を聴くと、正宗さんの本質は
もう既に全部出ていたのだな…、と思ってしまうのです。


好きな方はもうよくご存知の事と思いますが、正宗さんの歌詞は
パッと聴き何を歌っているのか分からないことが有ります。
例えばブレイク時のアルバム「ハチミツ」だとこんな感じ*2


「プラスチックのカバーを はずしたその後で
短い夢を見てる おかしなフライデー
冴えわたる夜空に いきなり現れて
青い猫目のビームで 突き刺すような」
by トンガリ’95


「だんだん解ってきたのさ 見えない場所で作られた
波に削りとられていく 命が
混沌の色に憧れ 完全に違う形で
消えかけた獣の道を 歩いて行く」
by 歩き出せ、クローバー


「こっそり二人裸で跳ねる 明日はきっとアレに届いてる
バッチリ二人裸で跳ねる 明日はきっとアレに届いてる
輝く虫のように」
by グラスホッパー


「片隅に捨てられて 呼吸をやめない猫も
どこか似ている 抱き上げて 無理やりに頬よせるよ
いつもの交差点で 見上げた丸い窓は
うす汚れてる ぎりぎりの 三日月も僕を見てた」
by ロビンソン


他も楽曲によって差は有れど、正宗節みたいなのが有って(笑)、
最初、聴いた時は何を言ってるやらさっぱりという感じで。
本文中に一回も出てこないフレーズがタイトルだったり(笑)。
なんでこの曲のタイトルが「テレビ」やねんとか、まぁ「ロビンソン」もそうですね…。^^;
でもだんだんと聴きながらこの歌詞にはこういう意味が有るのかも…
とか想像するのが楽しくなってくるんですね(笑)。


しかしそんな正宗さんのスタイルもインディーズ時代では少し違います。
ブレイク近辺が婉曲の多用だとすれば、インディーズ時代はあまりにも
直接的で、若者らしい悩みや鬱屈した思いや叫びをストレートに歌っているような気がするのです。


例えば、また幾つか上げてみるとこんな感じです。


「今日は眠りの奥深く
逃げ込んだりしなくていい
だいじょうぶ
誰も僕を
見破ることはできない」
by 晴れの日はプカプカプー


「君は優しすぎるのさ
何も恥じることじゃない
だけどそんな君だけにあげたい
ハッピーデイ」
by ハッピーデイ


「疑い続ける アナキスト 叫び続ける アナキスト
俺は今でも アナキスト 今でも」
by アナキスト


「八王子八王子八王子 恋をしよう」
by 八王子


「死にもの狂いのカゲロウを見ていた
時間のリボンに
ハサミを入れた
ひとりじゃ生きてけない」
by 死にもの狂いのカゲロウを見ていた


「生きるのは無様だから
あえてこの場所に求めよう
僕らの体は泥だらけ
死ぬまで幸せ追いかける」
by 泥だらけ


ここら辺の楽曲を聴いて感じたのは、今の綺麗なフレーズに飾られた曲じゃない正宗さんの本当の思いというか、そんなものだったりします。
で、それが当時20になったばかり位の頃の自分にとてもよく合っていたわけです。
…まぁ、一言で言うと、この人が作っていく曲はずっと聴いていけそうな気がしたわけです。


正宗さんの作詞の表現スタイルですが
インディーズの頃・超ど真ん中ストレート→デビューからブレイク1、2年後まで・色々表現とかに凝ってる(笑)
→最近・巡り巡ってまたストレート
っていう風に遷移しているような気がします。
そう、最近またストレートになってきてるんですよね。
それでつまらないかっていうとそうでもない。
むしろ正宗さんの感性の鋭さに感服させられるような気持ちになります。
やっぱりこの人は詩人さんなんだなぁ…、と。



スピッツのライブは2001年くらいから十数回行っていると思うんですが、
(各ツアーで一回は行ってるかな)
自分が一番コピーしてきたのもスピッツで、
そもそもギター・ベースを始めたのも
スピッツの楽曲をコピーしたいから始まったわけですが…。


ライブに行く度に40になっても50になってもずっとやっていきたいみたいな事を正宗さんはMCで言うわけですが、
これからも末永く体に無理せずぼちぼちやってって欲しいな…と
僕みたいな変わったファンは陰ながら思うわけでございます(笑)。


今年はレコーディングの年らしいけど、次はどんなアルバムになるかとても楽しみです。
…あ、来月シングル出るんでしたね、そういえば(笑)。



だらだら書いてみましたが
今日はそんなところで…。
では。

追記。
音楽を趣味でやっています。
良かったら聴いて下さいね!↓
tetsu8823.hatenablog.com

*1:その1って有るけどその2が有るかは不明です(笑)。

*2:引用した歌詞は全て草野正宗の作品です。